电影中的旗袍 之-「色戒」
久しぶりの「旗袍inシネマ」-(电影中的旗袍)。
今回の映画は「ラスト・コーション」中国名「色戒」です。
主人公王佳芝の旗袍を紹介します。
時代背景は1940年代初期、この頃から西洋の洋裁技術が徐々に入って来て、従来の「平袖」タイプの旗袍に変化をもたらした。
旗袍の様式は「平袖」から今日の「接袖」へ、一気に変化したわけではなく、ゆっくりと段階を踏まえて変化して来ました。
王佳芝が着ていた旗袍はまさに過渡期とも言えるでしょう。
映画の中で主に連袖タイプとフレンチスリーブの交互でした。
また、この時期、旗袍の西洋化&スリム化によって、西洋風のコートや帽子との組み合わせも増えました。
たまに旗袍の歴史がグチャグチャになる映画もありますが^^;
この映画は割と忠実に旗袍の歴史を再現できたのではないでしょうか。
それでは実際の写真で見てみましょう。
連袖
連袖とは袖と身頃がつないでいる、一枚の布から裁断した服です。
これは中国の伝統的な裁断方法を用いた旗袍です。
連袖です。襟の開きは通常右側ですが、おそらくデザイン上、左開きにしたのではないでしょうか。
これも連袖で通常の右開きです。クラッチバッグに合わせるのはその時の流行りでしょう。
これは大学生の頃です。連袖の長袖で飾りのパイピングもなく、素朴な感じです。
これも大学生です。やはり連袖で飾りのパイピングも一切付けず、スリットは膝あたりから。
実は民国時期の旗袍は少しだけAラインになっています。それでスリットは膝あたりから開けても十分歩けます。
フレンチスリーブ
ここからはフレンチスリーブです。
一見連袖にも見えますが、肩ラインに縫い目があることで判断できます。
肩に縫い目があると裁断の仕方が異なります。フレンチスリーブは西洋式の技術を取り入れたデザインです。
この写真に薄らと透けている下着のようなものは見えますか?
これはスリップドレスです。この時期は裏地がなくて、旗袍専用のスリップドレスがあります。
スリット部分にはレースを付けて、歩く時にスリップドレスのレースが見えるのはおしゃれの一つです。
手前の奥さんは連袖、傘を持っている王佳芝はフレンチスリーブ。
この写真も手前の奥さんは連袖、王佳芝はフレンチスリーブです。
映画の中で、王佳芝のマージャン仲間の奥様たち、彼女たちは常に連袖旗袍を着てました。
王佳芝は連袖もフレンチスリーブも交互に着てましたが、割合としてはやはりフレンチスリーブが多かった。
当時の年配の方はやはり若い方に比べ、西洋の物を受け入れられなかっただろう。
こんな細かいところまで忠実に再現したのもすばらしいです。
小物やコートなど
この時期、旗袍の西洋化&スリム化によって、西洋風のコートや帽子との組み合わせも増えました。
季節や旗袍の素材に合わせて、クロッシェ帽子の素材も変化します。
トレンチコート、帽子、首元にスカーフ、クラッチバッグなども当時の流行りでした。
おそろいのピアスとブローチに注目。
このごろ西洋から入ってきたブローチも旗袍の襟元を飾ることになりました。
これはあえて首元のチャイナボタンを付けず、ブローチ専用の旗袍ですね。
まとめ
以上、ここまでじっくり読んで頂いた方は民国旗袍と現代旗袍の違いはお分かりになりましたでしょうか。
少なくとも雰囲気の違いは分かりましたでしょうか。
簡単にまとめた民国旗袍と現代旗袍の違い↓↓↓
- 民国旗袍:上品、奥ゆかしい、フェミニン、女性らしい、家庭的
- 現代旗袍:セクシー、かっこういい、キャリアウーマン
旗袍って不思議な民族衣装。
同じ旗袍なのに、構造上の違いでこんなにも着る人の雰囲気を変えるのはやっぱり不思議です。
コメント
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